二度目のデート。


「――うわぁ!」


壁一面に広がるガラス張りの水槽は、今までに見たことがないくらい大きかった。

水槽は黒潮の海に見立ててあり、中にはマグロやら鰹、鰯の群れなどが悠々と泳いでいる。


「おいしそう」


「おまえなぁ...」


思わず出たあたしの本音に、先生はため息をついている。


先生が連れてきてくれたのは、街のはずれの水族館。

初めて訪れる水族館に、あたしは大興奮だった。

暗がりの中を、先生の服のすそを引っ張って前を歩く。


「見てくださいよ!こっちはエイがいますよ〜」


下から覗きこんだエイは、裏っ側につぶらな瞳をした顔があって、

これにはあたしも先生も笑いが止まらなかった。



奥はさらに暗くなっていて、ところどころをブラックライトが照らしている。

トンネル状の水槽の中を、人が通るしくみ。

深海に泳ぐ色鮮やかな熱帯魚たちが、ブラックライトに照らされて、美しくきらめいている。


「きれー...」


あまりの美しさに、あたしは食いいるように魚たちを見つめていた。


すると――