「うん...ありがと、アキちゃん」


あたしは嬉しかった。


「で、そのデートはどんな服着ていくの?」


アキちゃんに唐突に言われて、あたしはキョトンとした。

そういえば、会うということで頭がいっぱいで――準備なんて、なんにもしていない。


「いや、全然考えてなかった...」


向かいでアキちゃんはため息をついている。


「じゃあ今から行きますか。お嬢の服を見立てに」


そう言って、立ち上がったのは雄太くん。


「え――!?」


「彼女になったんでしょ!可愛いくて自慢の彼女になりなさい!」


アキちゃんに尻を叩かれつつ、あたしたち3人は街へとくりだしたのでした。





グレイのシフォンのスカートと、サテンのリボンがついたブラウスに――オフホワイトのスプリングコート。

アキちゃんと雄太くんが考えたテーマは――


可憐なお嬢さまスタイル!


ふたりに服を見立ててもらってたら、なんだかどんどんわくわくしてきて――

デートなんだな、っていう実感が、あたしの中にもようやくわいてきた。