4月になると、合格者召集があり、そのときに新しい制服の寸法も行われた。

必要な学校の備品を買って、制服の寸法ブースにお母さんとふたりで並びながら――


「あんたもとうとうセーラー服なのね」


「ほんと。受かってよかった」


南高の女子の制服は、夏冬共にセーラー服で、実際、あたしはそのセーラー服に憧れて南高に入ったようなものだった。


セーラー服なんてダサイってみんな言うけど――

あたしは、南高の制服が好きだった。


「お母さんのころから変わらないわ、あのセーラー。あたしも憧れてたのよ」


「今度こっそり着させてあげる。お父さんに見せれば?」





新しい制服は一週間ほどで出来上がり、ほどなくあたしは入学式を迎えた。

濃紺の生地の襟と袖には太めの白線が入り、胸元には真っ白なシルクのリボン。

真新しいセーラー服は、のりが効いていて、少しごわごわしたけど――なんだか気持ちがよかった。


「なんか見慣れないわね」


お母さんとお父さんは、そう言いながらも目を細めている。

この制服で、新しい高校生活が始まるのだ。