そりゃあ、先生だって彼女ぐらいいますよね...。

なんか、わかりきってたことだけど――切ないなぁ。


「先生、やっぱ彼女いるんですか?」


でも、念のため聞いてしまうあたし。

惨めな気持ちになっちゃうけど。


「ん――いない。いたらこんなことできないし」


「あぁ、そっか...」


ほっと、ため息をつくあたし。

こんなこと考えてるの、先生にばれませんように。





それから1時間ぐらい話し込んでいたら、


「外、暗いな」


さすがは11月。
辺りはもう暗くなり始めていた。


「あんまりいてもアレだし、もう帰るか」


ふたり帰り支度をして、席を立った。



外に出ると、朝よりも随分冷たい風が頬にあたった。


「寒いし暗いから、送ろうか?」


車の鍵を見せながら、先生はそう言ってくれたけど、

これ以上の密室はたぶん無理だと判断して、


「大丈夫です!歩いて、帰れます」


でも別れ際の、


「じゃあ、また今度な」


先生の一言が、あたしには嬉しかった。


先生の中では、また次の勉強会が企画されてるのかな――