中学生のとき、読書感想文の提出が宿題になったときに、選んで読んだ本。



順調な結婚生活を送っていたはずの主人公が――ある日急に、夫に家出をされる。
あろうことか、夫は昔の女の元にいるという。

しかし、その昔の女は病に倒れていて――



本を手に取ると、懐かしさが胸に広がった。

中学生が感想文を書くにしては――ちょっと、難しすぎたかもしれない。


内容が難しかったり読みづらいわけではなくて、主人公の気持ちをくみとるのが、幼いあたしには難しかった。



嫉妬や、妻として人としての思いが交錯するなかで、
その後、主人公はその昔の彼女と不思議な友情関係を結ぶのだが――



今すこし読み返してみても、やっぱり難しい。

というより、話が深い。



でも昔よりはなんだか――主人公の思いやいじらしさが、少しだけ、わかるような気がした。

状況は全く違えども、あたし自身もそれに似た憶えが心の中にあるから。