卒業研究に関わる大事な授業だというのに、全くノートをとれないまんま――授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。


こんなとき、どうすればいいのかわからない。

アキに相談しようとして――やめた。


でもひとりじゃあ、なんにもできない。



でもこれは、いつかはきちんと向き合わなければならない問題だった。


ひとみ先輩を不快に、不安にさせたのはあたしなのだから、

その責任は、ちゃんと取らなくちゃいけない。





「ごめんね、急に呼び出したりしちゃって」


「い、いえ...」


あたしの表情は、面白いくらいに固まっていたと思う。

だってさっきから、心臓のドキドキ――いや、ばくばくが止まらない。


それに対してひとみ先輩は、いやに涼しい顔をしている。


ひとみ先輩の目的は、やっぱり、アレ、なんだろうか。



あたしが悶々と、そんなことを考えていたとき、

ひとみ先輩は――思わぬことを口にした。