「なにしてるのよ零...!あんたと先生は、もう終わったんでしょ?」


アキの言葉は、厳しさに満ちていた。


「雄太っていう、あんだけ零のことを大切にしてくれる彼氏がいるのに――!」


わかってる。

それはあたしが一番――痛いほど、よくわかってる。


でもね。

先生は、その気持ち以上に、あたしの――大切な人だったの。


そんな言葉が喉元まで出かかって、あたしは慌てて飲み込んだ。


こんなこと、言い訳として許されるはずがない。


「雄太からは、何も言われなかった?」


「え...」


「雄太には、あたしから全部話した」


「――!」


頭の中が真っ白になった。


じゃあ、雄太は――


すべてを、知っていた?


「どうして――」


そう認識したあたしが、次にしたことは――アキに対する、罵倒だった。


「どうして雄太に話したのよ!」


雄太にだけは、知られたくなかったのに。

それがたとえ、あたしの勝手な思いだとしても。