ほんとうは、バイクの二人乗りは免許取って1年経たないと、しちゃだめなんだけど――
雄太が中型免許取ってすぐの頃に待ちきれずに乗せてもらったことがある。
あの時は、まだ雄太も運転に慣れてなかったから――ふたりしてコケそうになってしまった。
おかげで、あたしはそれ以来、怖くて雄太の後ろには乗っていない。
「わざわざ実家から持ってきたの?」
「うん、デートのためですから」
雄太の実家は、大学からは少し遠いところにある。
無理をすれば通えなくもないのだが――それで大学の近くで雄太は一人暮らしをしている。
「なんか怖いなぁ」
「大丈夫。もうあれから何年経ったと思ってんの」
「でも不安。ただでさえ乗ったことないのに」
すると雄太は胸を叩いてあたしに言った。
「――大切な零ちゃんだもん。危険な目にはあわせないよ。安心して、俺にまかせて」
あたしはヘルメットをかぶって、雄太の腰にぎゅっと腕を回してまたがった。
雄太の背中に頭をあずけると――
なんだか、ふとせつない気持ちになってしまった。
雄太が中型免許取ってすぐの頃に待ちきれずに乗せてもらったことがある。
あの時は、まだ雄太も運転に慣れてなかったから――ふたりしてコケそうになってしまった。
おかげで、あたしはそれ以来、怖くて雄太の後ろには乗っていない。
「わざわざ実家から持ってきたの?」
「うん、デートのためですから」
雄太の実家は、大学からは少し遠いところにある。
無理をすれば通えなくもないのだが――それで大学の近くで雄太は一人暮らしをしている。
「なんか怖いなぁ」
「大丈夫。もうあれから何年経ったと思ってんの」
「でも不安。ただでさえ乗ったことないのに」
すると雄太は胸を叩いてあたしに言った。
「――大切な零ちゃんだもん。危険な目にはあわせないよ。安心して、俺にまかせて」
あたしはヘルメットをかぶって、雄太の腰にぎゅっと腕を回してまたがった。
雄太の背中に頭をあずけると――
なんだか、ふとせつない気持ちになってしまった。