待ちにまった、月曜日。


先週の金曜日の淡い熱はまだ冷めてなくって、

いつものように教室に入ってきた鶴城先生を目で追っていた。


私の中の、怨念のような想いが通じたのか――

あっ、やばい!振り返った!


って...アレ?

鶴城先生は振り返ったが――目があったと思ったのに。


「無反応...」


「え?」


心の中のぼやきが、思わず声に出ていたらしい。

隣の席の祐実ちゃんが身を乗り出してきたので、急いでううん、と首をふった。



先生は思った以上に、いつも通りだった。


――この前は帰り遅くさせてごめんな。



そんな言葉をかけてくれたりしないかと、淡い期待を寄せていただけに――


何もなし、か、と。


軽いショックがあった。



私にとっては大きかった出来事でも、鶴城先生にとってはなんでもないこと。


「はぁ...」


現実を思い知らされた気がして、すごく切なくなる。

先生――。

今日もやっぱり、窓ガラスに写る姿しか、見つめることができなかった。