「ぼくの顔になんかついてる?」


「――え!?あ、ごめん、なんでもない...」


雄太の顔をまじまじと見つめすぎて、かなり怪しまれてしまった。

この前のアキとの座談会では、結局そういう結論に落ち着いてしまったから。


『雄太ほどの男はいないでしょう!顔はきれいだし、性格はいいし――なんと言っても玉の輿♪』


たしかに雄太は申し分ない殿方ですが――

雄太と結婚するなんて、全然、想像がつかない。


考えたこともなかった。


まぁ、出会って6年、付き合って3年目――もうお互いが空気のような存在で、一緒にいることがごく当たり前になっている。

まだ学生だから、あれだけど――普通だったら、結婚考えてもおかしくないか。


「いやぁ、楽しみだよ。お母さんの手料理」


今日は、うちの母親に呼ばれて、雄太を連れてうちに帰っている。


「お母さんに、ハンバーグ作ってって言っといたから」


「おっ、わかってるじゃん」


この前は、結局ハンバーグを作らずに外食で済ませてしまったから。