「誕生日は――ヒマ?」


アキちゃんにそう聞かれて、あたしはカレンダーを見上げた。

そういえば――自分でも忘れていたが、誕生日が近い。


「雄太とふたりで祝おうかって話してるんだけど――予定はどう?やっぱりデート?」


あたしは何も言えなかった。

あたしの誕生日までは、あと10日もないというのに――先生との予定は全く入ってなかった。


1月末は、大学がテスト期間だから。


そういって――あの仲直りの日以来、先生とは会っていない。




『今電話して、大丈夫ですか?』


そうメールを送ったところで、何時間も返事が返ってこないか――


『ごめん、忙しいからまた連絡する』


なんてメールが送られてくるのがオチ。



たまらなく寂しかった。

毎日夜中までメールして、ときには電話をかけて――あんなにお互いを想い合っていた日々が、まるで夢のよう。


最近の先生は心が全く読めなくて、あたしはどうしようもないほどつらかった。

あたしには先生しかいないのに。