「何よ急に。先生に迫られたりでもしたの?」


「いや、そんな直接的でもないんだけど――やっぱり、ほら...」


最近、キスしながら先生の手が服の中に入ってくることが多々ある。


この前の花火の日だって、


『何なんですか!この手はぁ』


『ん――あれ?そんなところに入ってた?』


『恥ずかしいですってば...』


『いやあ、おれの右手は暴れん坊だからね。言うこと聞かないの』


――オヤジ全開だった。



あたしが押し黙っていると、アキちゃんが納得したように言った。


「さては胸揉まれたか」


「アキちゃん声大きいよっ」


お互いに気配を感じて、アキちゃん共々顔を上げると――


「おれ、帰ろうかな」


いつ戻ってきたのか気付かぬうちに――雄太くんが恥ずかしそうに座っていた。


「そうね、ここからは乙女の話し合いだわ。雄太は先に帰っといて」


アキちゃんの言葉に、ぎこちない笑顔を浮かべて雄太くんは手を振っている。


「ご、ごめんね!雄太くん」