世間は狭い。

ほんとに、よく言ったものです。





「零ちゃん、これ」


手渡されたのは、薄桃色の四角い封筒。
綺麗な字で、『招待状』と、プリントされてある。


「先輩!これって――」


すぐにピンときた。だって、噂はかねがね聞いてましたもん。

久しぶりに見たひとみ先輩は、なんだか眩しいくらいにキラキラして見えた。


「...うん。今度そういうことになって、ね」


ひとみ先輩は恥ずかしそうに、ふふ、と笑った。

オンナとしての自信や、魅力なんか――あたしが何一つとして持っていないようなものたちが、ひとみ先輩の中にはたくさん感じられる気がした。


「へぇ〜なんかすごい!おめでとうございます」


「うふふ、ありがと。でもそんな改まらないでよ」


いいなぁ。
ひとみ先輩も結婚かぁ。


「お相手は?」


「うん、うちの大学のOBなの。私の4コ上」


ということは、大学時代からのお付き合いなのかしら。

あたしがそんなことを考えていたら、ひとみ先輩は意外なことを言った。