千春ちゃんは一気に真っ赤になった。



・・・俺だって、女子に『かわいー』とか言ったの初めてだよ。




だって、いつもつるんでる女子はどちらかというと男子に近いもんな。
(葵ちゃんも含めて)



「そっ・・・爽志くんこそ・・・試合・・・」




あぁ、と小さな声でつぶやいた。



「俺は試合出れないんだよ。実力がないからね」



千春ちゃんの顔が変わった。




うわ、いけね。言わないほうが良かったかな。



「えっ・・・あ・・・ごめ・・・」



さっさと次の話題にしなければ。



「いや、良いんだよ。っていうか、なんで俺の名前知ってるの?」