姫という単語を何年ぶりに聞いたのだろう。

帝王の時はみんなから「姫」や「結さん」「結様」「総長」幹部クラスには「結」と呼ばれていた。


懐かしい。でも、過去を振り返るとイヤでも思い出すコト。


「ウゥ・・・・」


泣きそうになる私。こらえようとしてうめき声を上げる。目に涙を溜め。



「Σどぅしたの結?」

そんな私に気付いた匠。

温かい声。心配している顔。
懐かしい感じがする。その声にまた泣きそうになる。

「ッ・・なんでもないよ」

作り笑いをして誤魔化す。誰も見破れやしない顔。
誰も「作り」なんて思わないほど綺麗な笑顔を見せる。


「何作り笑いしてんだ」

とても低い声がした。

この声を発した人は・・・

「陸耶クン?」

どぅして気付くの?
どぅしてわかるの?
どぅして?どぅして?