「・・・ぎ、銀行強盗ですか?」



状況を知っている執事が、少し気まずそうに声を出し、私は、聞いてません風の様子で視線を加藤刑事と合わせなかった。



「ああ、それも、大和のものを合わせて、3件同時に銀行強盗が起きたんだよ。」



加藤刑事が、苦々しい表情で執事を見た。



「・・・・2件では無くて、3件ですか?」



加藤刑事に確認を取る執事。



「・・・・くそ餓鬼・・・お前、何か知ってやがるのか?」



その瞬間、私は、加藤刑事の目が光ったように見えた。



まるで、獲物を見つけた鷹のように鋭い視線で執事を睨みつけている。



「・・・いえ、大和以外のものは知りませんが?」



そこは、さすがに執事。



加藤刑事に睨みつけられた瞬間に顔は微笑に包まれて、何かを読み取らせるようなことはしなかった。



暫しの間、見つめあう加藤刑事と執事。



急速に室内の温度が、下がっていくように感じる。



私は、その緊張感と後ろめたさで、今にも意識が飛びそうになった。