「で、龍一を入れても、俺の方が男前だと小夜は思うんだよね?」
「ウッ!」
組長のいきなりの反撃に思わず、絶句する私。
私の後ろに立っている執事をチラリと私は見た。
(・・・・いつ見ても、カッコいい・・・そんな龍一さんの前で嘘を言うなんて・・・・)
私の心は、葛藤の嵐が吹き荒れる。
「・・・・・・・・・・・・・・・たぶん、そう思っていると思いますけど。」
私は、自分の心に精一杯の抵抗をして答える。
「・・・・・たぶん?・・・・くん、くん・・・・・なんか、小夜、嘘ついてる匂いがするぞ・・・・。」
組長が、鼻をひくつかせている様子がうかがえた。
「う、嘘ついてる匂い・・・ですか?」
私は、組長の言っている意味がわからずに聞き返した。
「うん。ヒナタと同じ匂い。・・・大嘘つきの匂いが、プンプンしてきた。」
「・・・・真木さんと一緒にしないでください。今度、真木さんと一緒にしたら、もう、組長と話してあげませんよ。」
ここだけは、強く否定し、冷たく言い切る私。
組長のためを思って、龍一さんが出てくる前に、私が精一杯、説得しているのに、真木さんの嘘と一緒にされてはたまったものではない。