「ほぉ~、小夜、この俺様に勝負を挑むとは、いい度胸だな!」
いきなり橋のらんかんの上に飛び乗り、私を見下しながら指差す真木ヒナタ。
いきなりの事に、近くを通りかかった人から真木ヒナタの身軽さに拍手が起こる。
真木ヒナタは、その拍手に満足げに手を振って応える。
「真木さん、危ないですよ。らんかんの上から降りてくださいよ。」
私は、不安定な橋のらんかんの上に立っている真木ヒナタに言った。
「危ないわけないだろ、小夜?もしかして、俺様が、こんなところから落ちるとでも思っているのか?」
馬鹿にした表情で私を見る真木ヒナタ。
「そうは思いませんけど、河童の川流れってことわざもありますし。」
「河童は、ポチだろ!」
「・・・・別にそういう意味では、ありませんよ。」
呆れながら、真木ヒナタを見る私。
その時、橋の下の川から声が響いてきた。
「だ、誰か、たすけてぇ~!!」
その声に、私達が、橋から川を見下ろすと、上流から人が流されてきていた。
その流されている人の頭には見覚えのあるハゲがあった。
「・・・・・・あれ、河童か?」
つぶやく真木ヒナタ。
「・・・・・たぶん、河童ではないと思います、真木さん。」
サブが、呆気にとられながら言った。
「・・・・・っていうか、ポチさんですよね、あれ?」
私は、サブと真木ヒナタを見た。
私の視線を受け、うなずくサブと真木ヒナタ。