「・・・・・・困りましたね、それでは、本当にどこの誰だかわからないお方になってしまいますわ。」
困った表情になる葵。
「・・・・俺の存在意義って・・・笹山組の組長ってだけなの?」
哀しそうにつぶやく組長。
「確かに一理ある!!!!」
いきなり部屋の中に響き渡る真木ヒナタの声。
私は、自分の右手を見ると、いつの間にか、持っていたマイクを真木ヒナタに奪いとられていた。
部屋の中のすべての視線が真木ヒナタに注がれる。
その様子にうれしそうな表情を浮かべる真木ヒナタ。
「確かに、大和は、この餓鬼を好きで駆け落ちしようとここまで来たが、・・・んっ、何だよ・・・何、餓鬼って言うなって?餓鬼は餓鬼だろ?・・・・わかったよ。・・・え~・・・大和は、この葵と駆け落ちしようと思ってここまで来たが、それじゃ、この薔薇男が可哀相だ!」
執事に訂正されながら、話し続ける真木ヒナタ。
「そこで、ここは公平に勝負で決着をつけようじゃないか!」
「・・・わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~」
真木ヒナタの言葉にあっけに取られていた部屋にいる人達から歓声が上がった。
それを、満足そうな表情で見る真木ヒナタ。
「それで勝負の内容は?」
部屋にいる一人の男から声がかかる。