「・・・・葵様、ポチに私がここに攫われたって電話しましたか?」
私は、葵に尋ねる。
前にポチから葵の電話番号を知っていることは聞いていた。
「・・・・・・・していませんわ。」
明らかにソワソワし始める葵。
視線も私とは合わせない。
「ちょっといいですか?」
その時、源悠斗が、話に入ってきた。
「何ですの?」
葵が私の話を終わらせるチャンスとばかりに源悠斗の方を見た。
「聞き捨てならない言葉を今、言われたのですが・・・・このどこの誰ともわからないような男と結婚されると?」
源悠斗は、少し馬鹿にしたような視線で組長を見た。
「大和様に失礼ですわ!少なくとも大和様は、どこの誰ともわからないようなお方では、ありません!立派な笹山組の組長です!!」
激怒して答える葵。
「・・・・あっ悪いけど、俺、今、笹山組、勘当されているんだけど・・・」
組長は、申し訳なさそうに葵に言った。
「・・・・・・・本当ですの?」
葵は、私を見た。
私は、大きく縦にうなずく。