ちなみに私たちの姓は空流だ。

彼はあーと間抜けな音を出した。

倍音が綺麗に鳴る。


「間違えた。空流先輩には秘密で」

「そちらも先生には秘密で」


もう一杯飲む。


「はいはい、了解ですー…そういえばさ、誰?」

「言っても知りませんよ」


プッと笑われた。

ウケ狙いじゃなかったのにそう受け取ったらしい。


「一応、教えなよ。フルネームで。」

「空流鏡夜です」


沈黙。


「へー。先輩の妹さん?」

驚きを隠しながら言っていた。

「はい。」