「普通、繰り返すもんだ。」

「ほう。」

知らなかった。


「でも、なぜ繰り返すんだろう。
そんなに記憶力が悪いわけじゃないだろう?」

馬鹿じゃあるまいし、と最後は軽く付け加える。


「みんながお前みたいに頭が良いとは限らないんだよ。」

「お前というの止めて下さい。
…少し見ない間、言葉遣いが荒くなりましたよね。」

「鏡夜、お金は俺が出すんだ。今のはそれを抑えてからの発言か?
あ、後何かと敬語だろ。治せっつーの。」

残念ながら反論の余地は無いので私は水を飲んだ。

話題を変えよう。

実は兄の空白の11年間、何をしていたか気になっていたのだ。

そのことを尋ねると