「原因はそれじゃなくて、」
「なんだ。」
言葉をざっくばらんに斬られたのが気に食わないらしい。
お兄さんは生意気だ、と言わんばかり睨んできた。
こんな所は昔も今も変わらない。
ガキ大将め。
私は心の中で小さく毒づく。
「なんだって聞いてる。」
「ピアノ。」
恥かしいけれど
素直に打ち明けるしか出来まい。
私は小さくそう言った。
「ぴあの?あの黒と白の88個の鍵盤あるヤツ?」
「詳しいですね。」
あっ。
気が付いたときには遅かった。
「敬語禁止。」
「…うん。」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…