「あゆみ〜」

静かな朝の8時、綺麗な桜並木の下で
後ろからそうあたしを呼んだのは紛れもなく幼なじみの裕樹だった。


この日は高校の入学式。桜が綺麗なぽかぽか陽気だった。


あたしと裕樹の家はお隣さんで飽きるほど毎日会っている。
小学校の時に裕樹が越してきてから毎日だからもう10年にもなる。
それほど会っているともう兄弟みたいで今まで恋愛感情を抱いたこともなければ、2人きりでいて一人の男である裕樹に何かされることもなかった。