「安川、よく無事にチョコ質を解放してくれたな」

警部は安川の肩に優しく触れた。

「警部さんが僕に投げたあのチョコ、すぐ分かりました。

母さんからのチョコだって。

他の異性からチョコを貰った事は一度も無かったけど、母さんだけは毎年かかさず僕にチョコをくれたから。

僕は何か大切な気持ちを、ずっと無くしていた様な気がします」

安川はそう言うと、泣きながらその場に崩れ落ちた。


白田は安川からチョコ質を奪い取る様にもぎ取ると、無我夢中でピンク色の包装紙を開けた。