警部は確信する。
安川は本気だ。

このままではチョコ質の命は危ない。

それを見た警部は意を決した。


「おい安川!これを見ろ!ある女性からお前宛てのチョコだ、受け取れ!」

警部は安川が身を乗り出した窓に向かって、チョコを思い切り投げた。

まるで小さな虹みたいに、下から上に小さな弧を描いて、ギンガムチェックの包装紙にくるまれたチョコが安川に届く。

安川は警部から受け取ったその包装紙をその場で開けた。

可愛いらしいクマの形のチョコが入っている。