一茂との十年分の思い出が、ジワジワと込み上げてくる。


ブチ壊してやるんだこんな結婚。

メチャクチャにしてやる。

恭子は深く呼吸をすると、ありったけの大きな声で叫んだ。

「…新郎である一茂は、私と結婚する筈だったんです。

十年も付き合ったのに、結婚の約束もしてたのに…新婦の由衣さんと結婚が決まったら、何も言わず私をアッサリと雑巾の様に捨てました。

私を騙した挙げ句、気持ちを弄んでコイツは本当に酷い男よ!

絶対に絶対に許さない!」