先生「キミ………」

ゆき「坂加部です……
  先生、あたしの骨を……」

先生「坂加部さん
  キミはまだ若いから
  わからないかもしれないが
  複雑骨折というのは
  どこか少しでも触れば
  心臓や胃に穴が
  あくかもしれないんだ」

………。

先生「だからもう、見守ることしか……」

ゆき「じゃあ、いつか死ぬ人を
  ほっておけってゆうのことですか??
  愛する人に何もできないんですか??
  ……ヒック………」

あたしはまた泣いた
今日だけで何回泣いただろう。
もう、なにもできない
守って愛してくれた人に
お礼ができない
仕方ないの??
こんなに愛してくれたのに………
なにもできないの??


ゆき「……もう、あたしには絶えられない」

あたしは走った
走りつづけた