何の返事もないので、私は戒の顔を見る。



…えっ…



戒は顔を真っ赤にして口を抑えていた。




「か、戒っ?」



「ばっ…馬鹿じゃねーの!!声なんていつでも聞けんだろっ!」



戒…声裏返ってるんですけど。



私はワケがわからくて、段々ボーッとしてきた。



あれ?


なんか…頭クラクラするよ…



私はそのまま後ろへのめり込むようにして倒れた。




「奈子!?おい!?」


遠くで戒の声が聞こえる…





なんか嬉しいな…


期待していいのかな?



もしかして…戒も私のこと………?






私はその時、幸せな顔をして倒れていたと思う。