私達は唖然と部屋を眺めていると、戒の笑い声がして振り返る。



「よぉ奈子。遊びきたんだ?」



戒は大きいソファに女を抱き寄せながら座っている。



「な…なにしてんの?」


「なにって酒飲んでんだろ。」



ちがくて女だよ!

なんでそんなにくっついてんのさ!?




戒は私の顔を見て何か感じたのか、女を引き放す。


「戒ぃ?どうしたのょぉ?」



ブリブリした女が聞くと戒はニッコリ笑った。


「お前ら飽きたし。帰れ。」




「はぁ!?意味わかんねーんだよ!!」


女はキレて部屋を出て行った。



さすがに綾菜もビックリしている。





「座んなよ。奈子達も。」


光汰は慣れたように私達をエスコートする。


「何か飲む?」



戒は私にメニューを見せながら近付く。


「ウーロン茶でいいや…。」


「OK。」




すぐに飲み物が来て、私達は夜の店を楽しむ。


隣の綾菜は光汰にベッタリ。


反対に戒と私は何も喋らず、ただ飲み物を次々と頼んでいた。



「お前さ…」



急に戒が口を開く。



「今日電話したよな?」



うっ…


「したけど…。」


「何の用事だったんだよ?」




私は光汰の方をチラッと見る。


光汰も私に気付いたのか、ニッコリ微笑んできた。



「………戒の……」


「あ?」













「声が聞きたくて……。」