夜は綾菜が泊まりにきた。

何気なくお菓子パーティをしていると、携帯の画面が光る。




「奈子。携帯鳴ってるよ。」



画面を見ると 戒。



私は戸惑う。


「出たら?」



「う…うん。」


電話の向こうから戒の優しい声が聞こえる。


はず。が、



「奈子チン~?こんばんわんこ~!」



光汰さん…?


「戒の携帯ですよね?何してるんですか?」


「冷たいなぁ!…これから飲みに来ない?戒もいるよー!」


「はぁ?」


わけのわからないまま光汰から店の住所を聞くと、綾菜と一緒に出掛けた。





しばらくしてついた場所はちょっとヤバそうな店。



「ねぇ…奈子。本気で入るの?」


綾菜はビクビクしながら私にしがみつく。


「だ、だって約束しちゃったし!」




仕方なくドアを開くと、お酒の匂いと薔薇の香りが私達を包みこんだ。



入るとすぐに、薔薇の花が一面に飾っていて、壁は金色、ソファの色は黒…。



……金持ちしか行けないとこなんだろうな。




「お客様はお二人ですか?」


店の従業員が私の顔を見て聞く。



「へ!?あ、あの…」

迷っていると、誰かが私の腕を引っ張った。


「こんばんは♪奈子チン。」


「光汰さん!」



「奈子、知り合い?」

綾菜が不思議そうに聞く。



「うん…?まぁ。」



「君ダレ?奈子チンのお友達?」


振り向くと同時に綾菜は光汰の顔を見て赤くなった。



「あああ綾菜ですっ!奈子の親友です!よろしくお願いしますっ!」



…スイッチ入ったんだな…。




「戒は特別室にいるよ♪早く行こっ!」


光汰は私達を押すように“特別室”へ連れて行った。


「戒入るぞー。」



部屋に入ると、これまた豪華な部屋。



天涯付のべベッドあるし!?