しばらく走って、私達は海に来た。



「さすがに追ってこられないだろ。」



戒は息を荒くして砂場に座った。







ヤベェ…



私運動神経 良いんだけどさすがにキツい…




コイツ どんだけ足速いんだよ!?





「奈子 平気か?」


戒が振り返ると同時に私はその場にコケた。






「……何してんの。」



「いや…足痛い。」



「は?」



戒は私の靴を脱がすと血だらけの足が出てきた。




「うわ…痛そうだな。」








「…ごめん。これじゃ帰れないよね?」




私は俯くと、戒は近くの灯台に目をつけた。




「よし。」



戒は私を抱えると走り出す。




「ちょっ何すんのよ!?」



顔を真っ赤にしながら暴れる。



「うるせーよ。あっちに灯台あるからそこで休もう。」






な…ななに?



お姫様だっこ?だよね…




ヤバイ 心臓の音うるさすぎ!!







戒は私を座らせると、ハンカチで血をふいた。







「俺のせいだよな…巻き込んでごめん。」





悲しそうな顔で呟く。




「あれは…誰だったの?もしかして…戒追われてるの!?」




私の真剣な顔に戒は戸惑う。



しばらく沈黙が続いた後、戒は口を開いた。



「………うん。……俺はアイツらに追われてる。」





「……なんで?」





「…俺さ、家が金持ちで毎日をエンジョイしてたんですよ。」









…は?




戒はそのまま話を続ける。


「でも金に飽きちゃってさ、家出したら親父のボディガードとか追いかけてきたんだよね。」