「もうこれでいいですっっ!」


私は戒を睨みつけながら更衣室に入った。






5分後―。




「おい、いつまで着てんだよ。」



「もう出るわよ!」



私はカーテンを開けた。







薄いピンクのワンピースに、パールのカチューシャ。



こんな格好したことないしっ。




顔を真っ赤にして戒を見つかる。



「まぁまぁだな。」



「はぁぁぁぁあ!?」


何だソレ!


最っ低!!




「んじゃ買います。」

戒はカードを店員に渡した。




何だ あの黒いカード…


“ゴールド”?




「ありがとうございましたー。」




私達は店を出ると、また車に乗った。





私は戒の顔をまじまじと見た。



「何…」



それに気付いた戒は恥ずかしそうに私を見る。




「戒って…20歳なんだよね?大学は行ってるの?」




「…行ってたよ。でも途中で辞めた。」



は!?



「な…なんでっ?」



戒は前を向いたまま、しばらく黙っていた。








「…個人の都合。」




それだけ言うと、戒は違う話をし始めた。




…たぶん 聞いちゃいけなかったんだ。




戒の過去に一体何があったんだろう…