それから戒は私を家まで送ってくれた。



「…ありがと。」



「ちゃんと謝れよ。」



「わかってるって。」


私はシートベルトを外すと、車から降りた。





「んじゃ…」





もう…行っちゃうんだ…






「あの……っ!」




「は?」







うわ…


呼び止めちゃったよ…





私は少し考えて、顔をあげた。






「…また…電話ちょうだい。」







戒は少し驚いていたけど、




「わかった。」





と言って笑った。









…ガチャ



「ただいまぁ…」




静かに戸を開けると、私はおそるおそる中に入った。





…怒ってるかな…


竜紀さん…








リビングに向かうと、竜紀さんはテーブルにもたれ掛かりながら寝ていた。





「…え…竜紀さん?」




テーブルには私の晩ご飯が用意されていた。









ずっと待っててくれたんだ……。









近くにあった膝掛けを竜紀さんにかけると、竜紀さんは起きてしまった。






「…あ。」



「あれっ!?奈子ちゃん!帰ってきたの!?僕ずっと待ってて…あれ? もう朝だ!!」




竜紀さんは慌ててしまってコップを倒してる。











「たつ……」




「ん?」







「ただいま。お父さん。」









「…おかえり…」



竜紀さんは嬉しそうに微笑んだ。