次の日―。


日曜日。私は何もすることがなく、仕方なく綾菜に電話した。






『もしもし?』


電話の向こうから、まだ寝ていたのか眠たそうな声がした。



「奈子だよ。あのさぁ…」



私は淡々と昨日の出来事を話した。





『へぇ~!すごいね!まさか奈子に惚れたんじゃないの?』



「ばっバカ言わないでよ!絶対違うって。綾菜は電話とかメール来なかったの?」



『来てないよ?』



「えぇ?」






何で私なんだろう…



つくづく不思議な奴だ。




『今日誘われてんでしょ?行きなよ~。』



「嫌!! 私、あの人嫌い。」



『………お金、でしょ?』






ビクッと私は反応する。




『…忘れろなんて言わないよ。 でもそれで奈子が苦しむ姿はもう見たくないから…』





綾菜……





「…だ…大丈夫だよ~!あれからもう随分たってるし。もう、忘れたから。」




『本当に?大丈夫?』


「うん。心配いらないよ。」





そして私は電話を切った。








…綾菜、なんだかんだ言って私のこと一番に心配してくれてるんだ。





大丈夫。


もう、昔のことだから。










私はパジャマから服に着替えると家を出た。







…もう3時だけど、アイツ待ってるかな?