【防災訓練】


「ちょっ、アヤどこ行くの!?次防災訓練だよっ」

「え、だるいからサボる」

言っちゃ悪いけど高校の防災訓練なんてお遊びだし、出る価値なし。

静止の声を振り切って私は屋上へ向かった。



『……速やかに並びなさーい』

ん?避難終了か。昼休みからだからだいぶ寝てたな。

「こんな所でサボりとはいい度胸だな」

突然の声に振り向けば、知らないやつが立っている。

「あんた誰?そっちだってサボりじゃん」

「……ここでサボってるくらいだからな。俺の事知ってるわけないか」

なんだこいつ、ナルちゃんか。

「おい、その目は止めろ。俺は生徒会長だぞ?知らないなんてやついねぇぞ」

「生徒会長か。んで、会長様がサボり?」

「あほか。俺は上から避難の様子を見てたんだよ」

それだってサボりの理由じゃないのか。
ま、何言っても勝てる気しないしいいや。

砂ぼこりを払って立ち上がる。

「なんだ戻るのか」

「会長様がいるんじゃ休めないだろ。じゃお仕事頑張ってクダサイ」

ひらひらと手を振って屋上から出ていく。


まさか、これにより生徒会長に目をつけられたなんて思いもせずに。




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