「短距離の他にも、やりたいこといっぱいある。


学校にだって本当は行きたい。


けど、ここで大切なものをつくったら、死ぬとき手放したくなくなっちゃうから…。


だから作れなくって。


本当は大切なものに囲まれて生きていきたいのに…。」



前田が抱えているものは想像以上に大きかった。


それを…前田は一人で抱えてきたんだ。


そう考えてると、急に愛しさが込み上げてきた。


俺が守ってやりたい。


そう思った。



そしてその気持ちは、俺の体だけじゃとどまらなくって。



感情が俺の口から溢れ出てきたんだ。