★隼人目線★ 笑が病室をあとにした。 俺は笑を引き止めようと一瞬、手を伸ばした。 いや、伸ばしかけたっていった方が正しいかもしれない。 だって結局、引き止められなかったから。 引き止めたらいけない、そう思った。 本当は「いくな。」って言いたかった。 笑を抱きしめたまま離したくなかった。 離したらもう二度と会えないような気がしたんだ。 でもちゃんと解っている。 俺よりも笑の方がずっとつらいということを。