『じゃあ、お母さん言ってくるね。』


そういってあたしは家をあとにする。


実は着付けに時間かかっちゃって遅刻ギリギリなんだよね。


走っちゃいけないあたしは早足で歩こうとするけど、慣れない下駄のせいでうまく歩けない。


でも早歩きしなくちゃ遅刻しちゃう。


それに…隼人に早く会いたいし。



あたしはムチャして早歩きすることにした。


思ったより難しい。


そう思った時だった


――ゆらっ



やばっ転ける。


あたしは咄嗟に目をつぶった。