指先で先程担任からもらったメモをちらつかせながら、俺はいつもの野原を歩く。
…に、しても。
想わぬところで前田のアドレスゲット。
ついでに、メールをする口実も手に入れられた。
前田が好きな俺から見れば、今回の話しは悪くなかったのかもしれない。
むしろ、ラッキーなぐらいなんだけど。
『……。』
無言で野原のかかった道を練り歩き、清々しい風に触れる。
いつもは暑くうざったい風も、今は心地よい。
気分次第で、良くも悪くも変わっていく。
なんとなく、鼻歌が歌いたい気分で。
俺は体を揺らし、今流行りの歌を口ずさんでいた。
そんな時だった。