隼人は何事もなかったように 「じゃあな。」 それだけ言うと、背中を向け着た道を戻っていった。 …どうやら、遠回りをしてくれていたみたい。 確か、隼人のうちは反対側だったもんね。 …優しすぎるよ。 あたしはまだ温もりが残ってる唇を指でなぞりながら 隼人の背中が見えなくなるまで、ずっと手を振った。