そんなこんなやってるうちに。

もう家まで着いてしまった。


…残念。ここでお別れかぁ。


楽しかった日のお別れは余計寂しく感じて。


より一層、切なさが倍増された。


まだ、一緒にいたい…。



「前田…。」



隼人があたしの名前を、低くて甘い声で呼ぶ。


そしてあたしの顎に手をかけた。

その瞬間だった。




チュッ。



あたしの唇に生温かいものが触れて。


思わずあたしの体は硬直。


…不意打ちのようなキス。