『…やるねぇ、美穂。』
話を終え、私と雛は部屋へと戻った。
『私は無理だなー…沖田さんの鬼の特訓なんて。流石だよ、うん。』
雛が笑いながら、私の肩を叩く。
『嗚呼、知らなかった…そんな辛い稽古を付ける人だなんて。』
後悔先に立たず、私は畳の上にしゃがみ込んだ。
『でもさ、あの有名な沖田総司に稽古を付けて貰えるなんて、普通に生きてたらまず有り得ない訳だし。物凄く良い経験になると思うよ?』
『そりゃそうだけどさー…。』
良い経験と言うのにも、限度があると思う。
どんな稽古が待ち受けているのかは予想も付かないけれど…新撰組の隊士が怯える程だ。きっと、物凄く辛いに違いない。
『…嫌だなー。』
大きく溜息を吐きながら、私は壁へと凭れ掛かった。