『まあ…高杉さんがそう仰るなら、良いだろう。』


『ホントですか!?』


『ああ、良いとも。…それにしても、総司の鬼の特訓を受けたいだなんて…高杉さんも変わっているなぁ。』

あはは、と豪快に笑う近藤さん。


…え、鬼の特訓?


事情を掴めず呆然としていると、隣に立っていた原田さんがこっそり耳打ちしてくれた。


『…総司がつける稽古は、地獄の様に厳しいって有名なんだよ。』






刹那、私の背筋は凍りついた。



え…地獄の特訓って、何ですか?




『ま、強くなる一番の近道なんじゃねェ?』


そんな私を他所に、藤堂さんが無邪気に笑う。


『…確かにそうだな。俺は願い下げだけど。』


続いて永倉さんが、面白可笑しくそう告げた。


『やだなー…皆して。ちゃんと全部任せてよ、俺に。バッチリ鍛えてみせるからさ?…ねェ、美穂ちゃん?』



誰よりも穏やかに微笑む彼が、今だけは地獄の使者に見えた。