ガンガンガンカンカンカン
ギ―――――
ガンガンガン
ギ――――――


「・・・」


ガンガンガン
ギ―――――――ガンガンガンガッ



「もう!・・・っ!うるさぁ―い―――!!!」

「凛玖、あんたのがうるさい。」

「ねぇ!おか―さん!この工事いつ終わるの!?」

「そんなの、お母さんが知るわけないでしょ」



・・・佐伯 凛玖
今は高校二年の夏休み真っ最中。

そして、なんでわたしがこんなにイライラしてるかってゆーと、
道を挟んで真向かいの家の工事のせいで・・・


今から7か月前―まだ肌寒い頃のこと。


わたしの家の真向かいはずっと空き地だった。
そんな空き地に家が建ち始めたのだ。
最初はなんとも思わなかった。
あの殺風景だったところに家が建つんだな~って感じ。
でも、夏になるとその工事はわたしをかなり苛立たせるものになった。


「ただえさえこんな、あっっっつくてイライラしてるのに
こんなにガンガン言われたらたまんないよ―!」

「もう少しの辛抱よ。もうだいぶ家も形になってきたし。
ほら!きれいなカスタード色のおうち。
いいわぁ~ オシャレでうらやましい!凛玖も見てみなさいよ?」

「別にいーよー。それにあたしカスタード嫌いだし!」




・・・そしてこんなやりとりをわたしはお母さんと何度もし
夏休みは終わっていったのだった。