ガチャリ。






「「え!?」」






不意に部屋の扉が開いて目の前に現れたのはお母様。



お母様も私が起きて扉の前にいるなんて予想してなかったらしく、驚きの表情を浮かべていた。








「小梅、あなた…起きて…?」



「え…あ、はい…」








ど、どうしよう…っ!



スッゴく気まずい!!




だって私、会話盗み聞きしてたし…!!






確実に怒られる!!



お母様、普段は穏やかだけど、怒ったらこの世のものとは思えないほどの恐怖が…っ!!








「…あ、あの…!!こ…これは、ですね…!!」



「小梅!!起きて大丈夫なの!?ケガは!?痛みはない!?」



「…だ、大丈夫です。傷は多少は痛みますが、大したこと、ないです」



「本当に?我慢することないのよ?」



「我慢、してないです。本当に大丈夫です」



「そう…。良かった…本当に…」






そう言って、抱き締めてくれるお母様。




何も変わらない。



私のことを誰よりも心配してくれる、いつものお母様だ…。