「時にそこのお嬢さん」



「ん?あたし?」





館長さんはリナに目を向けて話しかけた。







「君は本当に苺に似ているね」



「そうですかー?まぁたぶん偶然ですよ、偶然」



「本当に?」



「えっ?」



「本当に偶然だと…そう思うのかい?」



「…どーゆー意味ですかそれ。館長さん、まさか、あたしを苺だと勘違いしてるんじゃないですかっ?マンガやドラマみたいに」



「ちょっとリナ、それは失礼でしょう!?」



「だってー…っ」








館長さんは苺さんと一緒に暮らしてたんですから。



容姿が似ているリナを見て懐かしく思ってしまうのもムリはない話。









「それくらいあたしにだってわかるけど…。でもあの館長…目が何か本気そうなんだもん」





リナのつぶやいたその言葉を聞いて私は館長さんを見た。




館長さんはどこか、全てを見透かすような眼でリナを、私たちを見ていた。







「そうか…。本当に…聞いていた通りだね…。…〝大魔女〟」




館長さんの言葉は轟音に遮られて、私たちの耳には届かなかった。