「なぁ、なんで俺が彼女つくらなきゃいけねぇの?」

いつも軽い口の蓮が、真剣な眼差しを私に向けて、背けようとする私の目を離してはくれなかった。


「だって蓮…。凛と付き合ってるんでしょ?」

時々見つけた二人が居る所。

行きに聖奈と歩いているとき、確かに二人が一緒に登校していた。

校内でも、時々凛が呼び出して、一緒に話していた。


「なんで俺が凛と付き合うワケ?」
「えっ?だって凛が…」
「凛…詳しく教えてやるよ」
「何を?」
「いいから聞いてろ」
「うん」


「俺と凛は昔付き合ってた。凛はハッキリ言って俺に優しかったから、俺も告白された時、仲がよかったし、OKした。」

しっかり私が聞いてるのか間をあけながら話してくれた。

「…でも凛は、俺の前以外だと、俺と話した女子や、触った女子などをいじめつけてたらしい」

凛が……いじめを?

「俺も最初は疑った。凛がするわけないって…でも」

そのあとの言葉が、私を貫いた。

「一回凛に俺が別れを告げた時、俺に泣きながらすがりついてきて『もうしないから』『もうこんないじめしないから』って泣きながら言ってきて…。
俺一回その別れを流した。

でもそのあとに凛が俺の友達から何もかも聞いてた事が分かって…。
結局別れた。」