「おい、大丈夫か?」


呆然としているあたしの顔を、廉が心配そうに覗き込んだ。


「あっ……!ごめん……」


ハッとしたあたしは、彼の顔を見て謝った。


「お陰で、イイもん見させて貰ったよ」


「えっ?」


意地悪に微笑む廉を、不思議に思いながら見た。


「お前、可愛いかったから」


あたしは少しだけ赤みを帯びていた頬が、余計に赤くなるのがわかった。


だけど…


照れる暇も無いまま、すぐに気付いた事がある。


「ここ……どこ……?」


急に不安になって、眉を下げながら廉を見た。


「俺ん家」


「え……?」


どうして廉の家にいるの……?


どうやって来たの……?


状況を把握出来ずにパニックになってるあたしを見て、廉が口元を緩めて意地悪な笑みを浮かべた。