「ごめんね……。せっかく来てくれたのに……」


「イイよ。ユイは、ここの人気者だからな。それより、誕生日おめでとう」


廉は、笑顔であたしを見つめた。


「ありがとう」


あたしも笑顔を返し、お酒を作り始めた。


飲み過ぎて疲れがピークに達していたけど、これは仕事だから絶対に顔には出さない。


ましてや相手が廉なら、絶対に疲れを悟られたくなかった。


「日付が変わる前に、ちゃんと渡せて良かった」


彼はそう言いながら、封筒を差し出した。


「わぁ、ありがとう!ねぇ、開けてもイイ?」


「あぁ」


廉はすかさず訊いたあたしに頷いた後、お酒を飲んだ。


あたしは嬉しくて、急いで封筒を開けた。


中に入っていたのは、海の写真。


それは間違いなく、二人で行ったあの海の写真だった。